健康談義2015/09/10
 不思議な光景を見た。むかし読んだ一冊の小説にあった。

 病院で教授の病室の巡回風景だ。今から何年前だろう。私が現役中に肺結核を患って自宅療養となったのだが、その時、肺結核と言っても痛くもかゆくもない、ただ自宅で美味しいものを食べて寝ているだけ、病人であって病人でないような日々。
 暇つぶしにと読んだ本が、山崎豊子「白い巨塔」当時大いに話題となった。医療や薬など病院の内部や医学全般のことに詳しかった。
 一小説家がここまで医学を研究したのかと驚かされるほどだった。
のちに映画化され話題にもなった。戝前五郎扮する医学部教授田宮二郎、かっこよかった彼が数年後自殺だった。

 入院した病院が医科大学病院だから、学生や看護師見習いがいるのは当たり前。朝の巡回にベットを訪れて患者の様子を聞いて、その日の治療の指示を与える。全く今も昔もこれは続いているようだ。

 教授の1日の仕事の凄さに驚いた。
私がリハビリで歩いていたら、エレベーターから誰かひとり、担当の教授だった。7時半には仕事を始めているのです。すぐにパソコンの前にすわりこんだまま・・・。
8時には、患者部屋の巡回。9時から来院患者・・・、手術・・・。よる10時半、コンファレンスルームで、学生を前にスライドで教鞭をとっていた。なんと10時半ですよ。
いつ食事をして、いつ休憩を取って、いつ寝て・・・といらぬ心配をしたぐらいだ。

 手術室を見て驚いたのだが、初めの胃の摘出手術をした部屋は、学生が見学できたぐらいだから、凄く広く大きかった。
2回目の肺の手術は、さほど大きくなく部屋の数は10数部屋あったように見えた。
私が入った部屋は、右から5番目で、それでも右端に近かったようだから、相当数の手術室があったはずだ。

 手術はナイフで人間のからだを切り開く。当然、身体のすべてに神経があるのだから、麻酔をしなくては我慢できない。
全身麻酔がなければ我慢できないし手術は不可能だ。
時代劇で焼酎を口で吹きつけ刀傷を手術したり、西部劇でウイスキーをかけて火箸で弾ををぬく、あの野蛮な激痛場面を見るにつけ・・・。
ありがたいことですね。麻酔の進歩に感謝しなければ・・・。

 手術台に上がって横になって体を丸める。
背の中心ぐらいだろうか脊髄に、
「麻酔をします」
と一言、コチョコチョ触る感じがしたが、。あとはもう何も覚えていない。

「藤井さん、手術が終わりましたよ」

 身体をベットに移されて、どこか別の部屋に移動しているようだ。
そのあと家族の顔をみて、時間を聞いた。
こん度は、4時間ぐらいだった。前は9時間もかかったが・・・。
それにしても、「麻酔」というものは、すごい。
「終わりましたよ」
の一声で目が覚めたのです。
手術後、何時間もたたないと、目覚めない、と以前には言われていたのだが・・・。

 何時間にも及ぶ手術で、全身麻酔するということは、その間神経が働かない。心臓や肺・血管など動かない。それを麻酔と関係なく生命維持の動作をさせる。そんなことができるのだから、大変な技術であり仕事だ、と思う。
 教える人は、学ぶ人がいる限り、日進月歩の医学の数々を研究し学ばなければ、教えることはできない。それを日々繰り返し医学に、研究にまい進しているのだから、その進歩・発展は、はかりしれない。

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