チベットに旅して

上海にいて、ふっと思いついたのです。チベットも中国なんだと、そこで行ってみようと思って、そのまま、つっかけを履いたまま、空港に、行きました。夏でしたから、パンツとつっかけの出で立ちでした。チベットに行くには、先ずもって、四川省に行かねばなりません。四川省の成都まで行って空港からチベットに行こうと思いましたら、行けないのです。チベットと中国とが不穏な空気があるので、飛行機が飛ばないということらしく、大丈夫な空気になったら、飛ばしますというのです。それまでホテルで待っていて下さいということになりました。変な旅です。3日ほど待っていました。その頃は、チベットには、自由には行けない時代だったのです。今は、どうなっているのかわかりません。四川省で有名なのは、麻婆豆腐です。麻婆豆腐の発祥の地です。とにかく行ってみようと思って、出かけました。元祖の店構えなのに、やたら、汚ないのです。中国では、ホテルでも一流以外は汚ないのです。一般の店はさらに汚ないのです。何しろ、元祖といえど汚ないのです。食べても、美味しくないのです。日本の方がうまいのです。成都という所が中心なのに、ホテルは当時は一つだけ、道路だけは広いのです。ただ、気になったことは、皆、一人一人の顔が美形なのです。その辺の屋台の姉さんの顔も美しいのです。勿論、ホテルのエレベーターガールさんも美女揃いでした。何か、それだけでも、町全体が美しく思えました。そこで気になったことは、乞食の人が多かったのです。何故かわかりません。夜歩くと手がニュッと出るのです。チベットは放牧が職業ですが、その牛を何かの事情で手放したらしく、その後が職がないのだそうです。ホテルの前に屋台の市が立ちました。 毎日そこで遊んでいました。やっと、チベットです。エベレストやそれに近い山を見ながら、ラサール空港に着いたのですが、えらい寒いのです。何故かと思いましたら、3000メートルを超える高地に着いたのです。一挙に富士山のてっぺんに上ったようなものです。私は、チベットのことを何も調べずに行ったものですから、その違いに戸惑いました。ふらふらして歩けないのです。目が回るのです。まるで、船で酔った感じでした。ホテルに入っても、ベッドに寝ていました。とにかく、動けないのです。動いたら、目がまわるのです。ベッドには、酸素ボンベが付いていました。とにかく、高山病というものがあることを知らされました。それに、中国からは、パンツ一枚にシャツ一枚、つっかけのままで飛行機に乗ったものでしたから、飛行機の中は良かったのですが、飛行機から出たら、やたら、寒いのです。雪がその辺にあるのです。私は、とにかく、着るものを探しました。何も持って行ってないものですから、何でもいいから、買わないといけません。ところが、服屋さんがありません。ホテルでやっと、見つけたのです。観光地というところもありません。ただ、ふるいお寺それと、五体投地というものを見せて貰いました。それは、天地に全てを帰依している姿で感動的でした。それに、山に木がないのです。それと、チベットの人は日本人にそっくりでした。ただ、皆、汚れているのです。黒く汚れているのです。一年に一回も風呂には入らないということでした。10年に一回とも聞きました。何か、一生に数回の人がいるとも聞きました。それだけ、乾燥しているのです。皆がそれでいいのだから問題ないのです。

観光地もないので近くの山に登って、その向こうにある湖に行きました。山のてっぺんには、石を積んだ塔があちこちにありました。死者の霊か、とも思いました。ただ、湖を眺めて帰って来ました。ところどころに家があるのですが、子供たちはどうやって、学校に行くのかなと思っていました。何しろ、隣は遠い遠い、はるか向こうに見えるだけです。一軒家ですから、大変です。大人たちは毛むくじゃらの牛の群れと共に野宿しながら草を食わせながらの生活です。それだけです。凄まじいと思いました。空港のトイレに行こうと思ったのですが掃除されてないものですから、私には使えませんでした。トイレと言っても、小便の海です。その中を、ザブザブ歩いて使用しているのです。私も、と、思いましたけれど勇気がありません。我慢してホテルまで頑張りました。古いお寺は、チベット独特です。暗くて、強烈なお香の匂いです。線香の煙も凄く、なんか、こっちも、くん製になるかと思ったほどでしょた。寺は、五体投蓄膿症と地の人がいっぱいです。お経を唄う、少年僧たちも沢山です。それが、暗くて、目だけがくりくりひかって見えたのです。そして、外へ出たら、何十人も、五体投地をやっているのです。何十qも、あの虫が這うというか、独特な拝み方で旅して来た人たちです。凄い迫力です。もう、砂まみれというか、ほこりまみれというか、泥だらけで顔がよく見えないのです。凄く、見応えがありました。カメラで撮るということもないのですから、もう、忘れました。

私の旅は、こんな調子です。何も、用意しないで、フラッと行くのですから、ムチャクチャです。

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